2019年10月27日日曜日

やっぱりタワマンはリスクの固まり 地震や豪雨被害

 先日の台風19号による豪雨被害は凄まじいものでしたが、とりわけ目を惹いたのが東急東横線武蔵小杉駅(川崎市中原区)近くのタワーマンションの惨状です。
 「サラリーマン憧れの対象」と言われるタワーマンション。
 一部の専門家が指摘するように、やっぱりリスクの固まりと言えそうですね。



 私も10年以上前に東京にタワーマンションを購入、住んでいた経験から、「タワマンは終の棲家とはなり得ない」と思っています。

 以前にこのブログでも、普通のサラリーマンが安易にタワマンを購入するのに疑問を呈する記事を書いています。


 よく指摘されるように、タワマンの大規模修繕は通常のマンションより相当、高価になります。

 そのため修繕積立金についても通常のマンション以上の額を毎月徴収して貯めておく必要があるものの、販売会社は当初、毎月の修繕積立金を低く設定して購入者の負担を軽く見せる手法を取るのが一般的。

 まあ、入居者が管理組合をつくった後、修繕積立金の必要額を計算し、毎月の徴収額をアップさせれば良いのですが、これが一筋縄では行きません。


 大都市のタワマン、特に東京圏の場合、普通のサラリーマンや自営業者のような生活者だけではなく、地方の資産家や外国人(多くが中国人)が投資目的で購入しているケースが非常に多いのはよく知られていますね。

 で、最大の問題点は、とにかく少額でも金が絡むと住民の意見が絶対にまとまらないことです。

 「絶対」と断言したのは、私もかつてタワマンの管理組合総会に何度か出席し、その現場を目撃しているからです。


 普通の生活者である住民は、適正な管理費を積み立て、長期的なマンションの資産価値を保とうとする傾向がありますが、投資家はそうではありません。

 とにかく短期で儲かれば良いのであり、「修繕積立金は出来れば支払いたくない」という雰囲気でした。

 よって、投資家が所有する戸数がそれなりにあると、修繕積立金の値上げは非常に難しくなります。


 さらに普通の生活者の方も決して一枚岩というわけではありません。

 夫婦2人で全力でローンを組んで購入したような余裕のない世帯の方は、頭では修繕積立金の重要性が分かっていても、一気に値上げされて住宅ローンの返済計画に狂いが生じることを恐れています。

 私が住んでいたタワマンは、購入時に50万円近くの一時金を徴収して修繕積立金に充当した上、毎月の徴収額についても通常マンションより高かったように記憶していますが、それでも値上げは避けられないという話でした。

 結局、管理組合内の対立は容易には解消できず、私が住んでいた間に話は進展しませんでした。


 当時、私の知人が管理組合の理事長を務めていましたが、とにかく方針が気に入らないグループから攻撃され、本人は嫌気が差し任期途中で退任してしまうという事件もありました。


 今回、被災した川崎のタワマンも、住民たちは復旧までに相当な苦労をすると思われますが、是非、頑張って下さい。

 本当に他人事とは思えない話なので、心から応援しています。


 あと、今回の災害であらためて思ったのが、住宅の立地の重要性です。

 結局、豪雨で浸水するような土地は、いくら自家発電機を備えたタワマンでも甚大な被害を免れないということです。


 2011年の東京電力福島第1原発事故では、東京電力が自家発電機を地下に設置していたため、津波による浸水でメルトダウンを招いてしまいました。

 津波の危険性が指摘されていながら、なんで地下に設置していたんでしょうかね?

 カネをケチったんでしょうか?
 でも、敷地は広かったし‥。
 我々のような一般市民には理解できませんでしたが‥。


 まあ、今回のタワマン浸水被害の教訓として、どんな大規模マンションでも、機械室を地下に置くのは大きなリスクを抱えることが明確になりましたね。


 一方で、タワマンの場合、敷地の制約を考えると、地上に置くのはコスト高で無理というのが業者の意見らしいですが。

 地球温暖化の影響なのか、日本に襲来する台風はどんどん強力になっていく中、タワマンというのは結構、リスクの高い代物なのは間違いないようです。


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