2016年2月6日土曜日

年金改革反対ストで大混乱のギリシャ 世界屈指の借金国「日本」も他人事にあらず

 ギリシャのチプラス政権が進める年金制度改革に抗議して、官民それぞれの最大労組が呼びかけたストライキが4日、各地で行われ、同国は大混乱のようです。

 改革は、年金支給額を据え置く代わりに企業や個人の保険料負担の増額を検討しており、公務員など幅広い職種の人々が反発しているとか。




 読売新聞によると、アテネでは鉄道やバスなどの公共交通機関が運行を見合わせたほか、多くの病院が救急対応を除く業務をとりやめたとか。

 アテネ中心部では抗議デモも行われ、約4万人が参加。過激派が火炎瓶を投げ、警官隊が催涙弾などで応じる場面もあったそうです。

 最近、日本のメディアではギリシャ危機のニュースを余り目にしなくなりましたが、実のところ、同国の問題は何一つ解決しておらず、この年金問題一つとっても先行きは不透明な感じですね。


 まあ、ほぼ国家破綻状態なのに「年金額は引き下げない」という点がすごいです。(笑)

 もっとも、あの国で引き下げを断行したら、大暴動が起きて収拾がつかなくなるのではないでしょうか。

 政府も怖くて「そこまではできない」ということかもしれません。


 まあ、欧州連合(EU)の枠内にいる限り、まだまだゴネ得が効き(大きな負担を強いられるドイツ国民はかなり頭にきていますが‥)、緩い対応でなんとかなるという点は、うらやましい限り。


 振り返って世界で断トツの借金を抱える日本。

 「日本国債のほとんどは日本国内で消化されているため、日本がギリシャのようになることはない」と断言する専門家もいますが、どうなのでしょうか?

 それでもマーケットで「日本の財政破綻」がテーマになるような事態になり、ヘッジファンドが国債、株、通貨(円)のすべてに売り浴びせ、長期金利が急上昇する可能性はあるのでは?

 そうなれば、日本政府は次第に国債の利払いに苦しむようになり(一気に長期国債全ての利払いが増えるわけではありませんが‥)、ボデーブローのように日本政府の財政を蝕んでいく恐れがあります。

 そうなれば、財政支出削減が急務となり、われわれの年金支給額や医療制度を現行水準に保つことが不可能になるのは確実。


 今のように日銀が市中の国債をほぼ吸い上げるような政策を続ければ、金利上昇を防げるかもしれませんが、そうなれば、今度は本当に「財政ファイナンス」と解釈され、日本国債の格付けが地に落ち、やはり円の暴落を招くかもしれません。

 こうした事態を防ぐ根本的な解決策は、とにかく出生率を上げて子供を増やし、生産労働人口の減少を防ぎ、内需を再び活発化させる以外にはないのでしょう。


 まあ、低コストでメタンハイドレードを採取する技術を開発して天然ガスの大輸出国に変身する、というウルトラCもあるかもしれませんが、最近のような原油安を見ていると、そんな事態になればサウジアラビアが「日本潰し」に全力を挙げるのは確実ですね。


 いずれにせよ、今、ギリシャで起きていることは、他人事とは言えないわけです。

 否、ギリシャのようにEUというセーフティーネットのない日本の場合、いざという時、もっと厳しい現実が待ち受けているかもしれません。

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