50代も半ばになると、ふと、学生時代の思い出にふけることがあります。
みなさんも、そうではないでしょうか?
特に当時はやっていたドラマや歌の中で、忘れがたい追憶とオーバーラップして頭に浮かんでくるものがあると思いますが、私の場合、歌謡曲ではサザンオールスターズの「いとしのエリー」と、松田聖子の「赤いスイートピー」がそうです。
特に「いとしのエリー」は、私が大学時代の1983年に放映されたTBSドラマ「ふぞろいの林檎たち」の主題歌になっていたことから、メロディーを聴くと少し感傷的な気持ちになります。
私の父親は田舎の現場系サラリーマンだったので、経済的には「中の下」(あくまで地方のレベルで、の話であり、東京や大阪の基準ではもっと下でしょう)ぐらいの感じでしょうか。
それでも、大学の授業料に加え、生活費の一部は出してもらえたので、それほど「苦学した」という感覚はありません。
まあ、相当なアルバイトなしには生きていけないので、効率の良いバイト探しには余念がありませんでした。
当時は日本の国力が世界的に最も高かった時代であり、バブル経済のどぎつい香りは大学生活にも及んでいました。
いわゆるナンパ系サークル(夏はテニス、冬はスキー、という遊び系)が全盛を極め、私の同級生にも都会出身でカネの苦労知らずの連中が大勢いて、他大学のカワイイ女子学生たちと肩を組んで闊歩し、いわゆる「花のキャンパスライフ」を謳歌している連中も目立ちました。
私の方はというと、そういう光景を見ても、不思議と「ああいう世界もあるんだな~」というぐらいにしか感じず、それほど羨ましくもありませんでした。
むしろ、何か「中身のない虚像づくりに懸命なむなしい行為」のようにしか見えませんでした。
別に貧乏人の負け惜しみとかではなく、不思議なことに当時の本音です。
「遊び回る」という行為に積極的な意味を見いだせなかった、という方が正しいのかもしれません。
当時、自分の中では「あらゆる分野にわたり面白そうな本、世界の名著を読む」ということが、最も大きな意味のあることに感じられ、心を揺さぶられる体験でした。
大金も必要ありませんし、ね。(笑)
大学の授業は適当にこなす一方で、懸命にバイトをして数千円、数万円のカネが入ると、古本屋を回って欲しい本を安く買うのが最大の娯楽。
そういう生活を「不幸だ」とか、「惨めだ」とか感じたことはなく、自分の未来につて漠然とした不安はあるものの、「カネがないから、コネがないから」という理由で希望を失ったこともなく、それなりに楽しい学生時代を送りました。
まあ、「バブル」という華やいだ時代の空気が、私のような貧乏学生の心の中にも、何となく温かい風を送り込んでくれたのかも知れませんね。
また、私の周囲にいた裕福な同級生たちには何故かイイヤツが多く、ほとんどカネのかからない分野では、結構、つるんで遊ぶこともあり、いい思い出になっています。
話が飛びましたが、「ふぞろいの林檎たち」の主人公らは「4流大学に通う落ちこぼれ学生」という設定。
私の大学は世間の基準でいう「一流大学」なので、その辺の境遇はドラマの人物たちとは違いますが、夢のような大恋愛ストーリーとか出世物語ではない等身大の泥臭い「青春」を描いた点が新鮮でした。
このドラマは放映当時に問題となっていた学歴差別を背景にして作られたものとはいえ、本当の狙いは、人生の難題に直面した若者たちが真剣に悩み、それを必至に乗り越えようともがく姿、その努力が必ずしも成功しなくても、それでも前に進んでいく様子を描くことにあるのでしょう。
当時の恋愛体験を含めて、甘酸っぱい思い出が蘇るドラマです。
50歳で脱サラ、アーリーリタイアに踏み切ったオヤジ。 「陸マイラー」活動で貯めたマイルを使い夫婦で海外旅行を楽しみ、日本の絶景や温泉、グルメを満喫。 通勤地獄、ノルマ、煩わしい上下関係のない楽園へようこそ!
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