2017年5月16日火曜日

早期リタイアで金の心配をし過ぎるのも問題

 かなり前になりますが、「PRESIDENT Online」で、「サルでもわかる老後資金『最低額』計算式&無料アプリ」という記事が出ていました。

 記事はまず、老後資金として必要な金額は「全国の働く3万人へのアンケート調査では2,953万円」(出典:フィデリティ退職・投資教育研究所)という調査結果で始まります。




 60歳で会社を定年退職する際、退職金で住宅ローンの残金を精算する人も多いでしょうが、とにかく将来、平均的な年金を受け取れると仮定して、この60歳時点で「老後資金として約3000万円貯めるべき」というのは、メディアに登場する専門家とされる人がよく言及する金額です。


 ところで、今回の記事のミソは、個人のライフスタイルや趣味生活の内容によって、必要な生活資金はかなり異なるので、それを簡単な計算式に数字を当てはめて考えてみましょう、という点です。

 本当にそこまでの額が必要なのか、もしくは、これでも不足するのか?
 リタイアを考える人が誰でも一番、気になるところです。


 まず年金ですが、記事は「年金収入も、先ほど紹介した支出と同じように個人差が大きい」とした上で、「平均額は男性会社員が年間約204万円、女性会社員は年間約120万円(厚生労働省年金局調査)」と算定。


 そして、老後の生きる期間を「65歳~90歳まで」と仮定して、以下のような4つの手順で計算すると、必要な老後資金が分かるという段取りです。
 (1)「(65歳からの公的年金収入-1カ月の支出)×12カ月×25年」
 (2)退職金や個人年金保険などの公的年金以外のまとまった収入を合計
 (3)リフォーム費用や旅行代、お葬式代などの毎月の支出以外のまとまった支出を合計
 (4)上記の(1)+(2)-(3)を計算し、計算結果がプラスの場合はひとまず安心。
    マイナスの場合は、その金額が「65歳までに貯めたい金額」ということになります。

 記事では、モデルケースの数字を入れて計算し(4)がマイナス700万円となりました。
 この場合、「65歳までに700万円の老後資金を貯めればひとまず安心」という結論です。


 生命保険文化センターの調査では、「老後の最低日常生活費」平均は月22万円、「ゆとりある老後生活費」平均は同35.4万円となるそうですが、記事ではこの中間あたりの「28万円」で計算しています。


 何か、少なすぎる気もしますが、「平均的な年金」が現行通りに受給できれば、そして60歳からの5年間、会社の定年延長や再雇用で日々の生活費を何とかまかなえれば、貯金が700万円でもOKということになる計算です。

 ただし、「60歳の定年後は悠々自適に過ごしたい」とか、「1年に3回は海外旅行を楽しみたい」とか、「少し金のかかる趣味を持っている」となれば、これでは足りません。


 ましてや、アーリーリタイアをするとなれば、なおさらです。
 定年まで勤めた人と異なり、アリリタ時点から65歳までの生活費が余分に必要ですし、65歳から受給できる年金もそれなりに減ります。


 まあ、自分の個別事情を勘案しながら見れば、この記事は、一つの考え方として参考になりそうですね。

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