2017年5月18日木曜日

タワーマンションは金食い虫 リスク満載でリタイア生活には無用

 最近まで都市生活者にとって憧れの対象だったタワーマンションですが、これから退職時期を迎えたり、既に悠々自適の生活に入っているシニア世代にとっては、金食い虫の「負の遺産」になりかねません。

 私はリタイア後の住居探しの際にタワマンも検討した結果、高額な管理費や将来の不確実性リスクを考え、取り止めました。

 最近のタワマン関係のメディア報道を見ても、この判断は大正解だったと考えています。




 ところで、タワマンとはどんなマンションのことを言うのでしょうか?

 読売新聞に専門家が書いていた記事によると、厳密な法的定義はないのですが、建築・不動産業界では一般的に「高さ60メートル以上、20階以上の住居用超高層マンション」を指すとか。

 日本では1976年、埼玉県与野市(現さいたま市与野区)に第一号が建設されたと言われているそうです。

 97年に実施されたマンションの容積率緩和で都心部のタワーマンション建設が容易になり、2000年代初めから都心部や駅に近い便利な場所に急増しました。


 で、現状はどうでしょうか?

 土地の有効活用が課題となっている東京や大阪ならともかく、最近は地方都市でもタワマン建設が進んでおり、「一種の住宅バブル」に見えなくもありません。


 高額の管理費、将来の大規模修繕の難しさ、テレビドラマにもなった「居住階(高層と低層)による格差意識発生」など、マイナス要素も山積み。

 いくら免震や制振構造であっても、大地震が起きた際、相当な揺れに見舞われるのは間違いなく、家具の転倒などで負傷しなくてもエレベーター停止が長期化すれば、陸の孤島状態になるでしょう。


 タワマンのウリであるフィットネスジムやプール、カフェにパーティールームといった共用施設の豪華さも、住人が支払う管理費を押し上げ、将来のコストアップ要因でしかありません。

 聞くところによると、都心部のタワマンについては、中国人など外国人オーナーが目立つ物件が増え、日本人オーナーの場合でも投資目的と居住目的では意見が対立、管理組合の運営には苦労が絶えないようです。


 もちろん、最近の都心回帰の流れの中で、立地が良ければ将来的にも一定の需要はあるでしょうが、人口減少社会で家余りが現実問題となっている中、郊外のタワマン人気が今のまま続くとは思えません。

 少なくとも、資産価値という意味では次第に厳しくなるのではないでしょうか。

 
 65歳になっても70歳になっても懸命に働くつもりの方には関係の無い話かもしれませんが、上手くいけば50代後半、遅くとも60歳を過ぎたらリタイア生活を楽しみたいと思っている場合、高額管理費や上昇し続ける修繕積立金は大きな負担。


 さらに、リタイア後にマイカーで気軽に旅行に出かけようと思っていても、タワマンの駐車場は大抵、機械式で、大型外車や国産SUVは入庫できなかったりします。

 しかも都心部のタワマンなら、駐車場代が1カ月4~5万円ということも普通。

 こうした機械式駐車場や高層階用エレベーターの維持管理・修繕に関しても、通常のマンションに比べ、相当なコストが発生していますね。


 素晴らしい眺望(と言っても、高層階だけですが‥)と「ここに住むことがステータス」という自己満足(要は虚栄心)と引き換えに、リスク満載のタワマン。

 リタイアすれば、毎日の通勤を考える必要はなくなります。

 私には、都心部のタワマンに居住するメリットがあるようには思えませんが、皆さんはどうでしょうか?

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