2017年9月4日月曜日

海外で楽々リタイア生活は実現可能か?

 リタイア後、物価の安い国に移住し、異国情緒に浸りながら、ゆったりとアーリーリタイア生活を楽しもうと人生設計をしている方も結構、いるようですね。

 でも、想像するような海外でのプチ贅沢暮らしを送ることは現実的に可能なのでしょうか?



 まず、年配の方の中には「海外は物価が安い」という思い込みを抱いているケースがあるようですが、これは完全に昔の話。

 みんなが憧れるハワイやオーストラリアはもちろん、アジアの新興国でも、それなりの生活をするには結構なカネが必要です。


 リタイアブログを見ていると、タイやマレーシアで楽しくやっている様子をアップしている方もいらっしゃいますが、私が現地に詳しい友人から聞く話によると、「実情はかなり違う」とか。


 5、6年前の円高時代ならいざ知らず、現状の日本円の力では、東南アジアでも「日本並み」の生活を送るのに必要な資金は決して小さくはありません。

 友人によれば、現地住民ではなく、外国人としての平均的な生活をしようと思えば、一人暮らしの場合でも月額15万円~20万円程度は必要。


 どうでしょう。

 平均的な年金収入の独身者ではカツカツですね。


 現地住民と同じように暮らしてもストレスを感じない方は別として、日本では味わえない楽しい毎日を送るのは、相当に厳しいと言えます。


 夫婦2人での移住となると、もっと大変なのは間違いなし。


 これでは、とても「ハッピーリタイア生活」とは言えません。


 英語での日常生活に不自由はなく、現地語もある程度、自在に駆使できる方であっても、経済的には大変な現実。

 ましてや、「海外での長期滞在は初めて」という大部分の方にとって、医療問題を含め、さらに大きなコストやストレスがのしかかるのは明白です。


 バブル時代はアジア・太平洋地域で抜きんでた豊かさを誇った日本ですが、今はまったく事情が違います。

 デフレが続き、この20年間のGDPがほとんど増えなかった日本に対し、アジアなどの新興各国は飛躍的に成長して、国民生活も豊かになりました。

 オーストラリアは言うまでも無く、交通費以外の物価は日本の方が韓国よりも安くなっています。


 結局、バブル時代から広まった「老後はアジアで豊かに暮らす」というストーリーは、今では完全に幻想となり、かなりの資産家でなければ無理筋な話に。

 カネがなければ、日本の田舎で暮らすのが最も経済的なリタイア生活なのです。

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